エストニア エストニア語

エストニア語B2試験を受けてきた

エストニア語B2試験を受けてきた

エストニア語の試験は無料で受けられる。他のメジャー言語の語学試験といえば数万円することが多いのにあまりの太っ腹。A2-C1 まで年に 4 回行われていて誰でも受けられるのだけれど、あまりに低い点数で不合格になった場合、次は半年間受けられないというペナルティ的なものがある。無料とはいえちゃんと勉強してから受けるべきなので相応の期間。

という私が受けるのは実に三回目だったりする。長らく B1 でサバイバルエストニア語してきたまま特に勉強せずに 2021 年 11 月と 2022 年 5 月に受けてどちらも 54%で落ちた。60%で合格なので意外と悪くない結果にも思えたけれど、選択肢問題が多い試験でこの点数はあんまり勉強してないのがバレる。

その後すぐに妊娠が判明し、つわり出産子育て、と他のことをしていたらエストニア語試験の存在を忘れていた。仕事も育児も落ち着いてきたし、なにより「子供もいるんだからそろそろエストニア語に本腰入れるべきじゃない!?」というモチベの為にも再々受験を決意した。

コンサルテーション

試験の 2 週間前にコンサルテーションという試験の説明かつ模擬試験的なものが無料で受けられる。今回も参加してみたけど、インターネットで公開されている模擬試験と全く同じなので特に受ける必要はなかったかもしれない。とはいえ、その模擬試験もリーディング以外解いてなかったので強制性の面では助かった。

スピーキングは教室の中から立候補(ペアなので 2 名)する方式で、せっかくの機会なので手を挙げてみんなの前で模擬試験をやらせてもらうことにした。大衆の面前で試験以上に緊張したし元々のスピーキング能力の低さから言葉も詰まってしまったけど、試験2週間前にして「スピーキングが酷すぎる」と改めて認識できたのでチャレンジして良かった。

それにしてもスピーキングはテーマによって話せる/話せないの格差が大きいので、もっと多方面でニュースやラジオなどのインプットを増やさないといけないなと思った。B1 までと違い、B2 のテーマに制限は無い(=あらゆる事象が聞かれうる)けど、やはり語学試験なので環境問題や社会、教育、科学などが人気なんじゃないかと思う。

試験

語学力の問題で多少間違っているかもしれないけれど、全体的な内容と感想はこんな感じ。

ライティング

第一問 地方自治体で良い行いをした会社や人を認識する

  • どんなことが認識されるべきか
  • なぜそれが自治体のメリットになるのか
  • 認識された会社や人に何をオファーするか

第二問 反射材をつける必要性のアンケート

  • すべての回答の要約
  • あなたの立場は?
  • どうやったら反射材をもっと使ってもらえるか?

まさかの議論(賛成/反対と自分の意見を書くやつ)が出なかった!練習したのに! 一問目は認識する(tunnistama)の単語が分からなくて雰囲気訳してた部分があるので怪しい。なんなら小設問も読み違えてる気がする、と試験直後に気づく。時間もいっぱいに使ったのでどうしようもないのだけれど。

二問目はおそらく定番のグラフ要約問題。このアンケートはかなりシンプル(とても賛成、賛成、反対、とても反対)だったのでかなり書きやすかった。

リスニング

第一問

  • 短いダイアログなどで一問一答なので省略

第二問

  • 試験直後すら思い出せない

第三問

  • Toomapäev

第四問

  • カップルのお金の使い方のインタビュー

全体的に模擬試験と同じ形式だったと思う。第一問と第二問は 3 択、第三問は空欄補充(単語の書き取り)、第四問は正誤の 2 択。第二問は一切思い出せないので大爆死している可能性がある。あと第三問も試験後にスペルミスに気づいてかなり萎え。一問が大きすぎる。

リスニングは選択肢の少なさ的にも稼ぎどころのはずだけど、付け焼き刃では実際のラジオやニュースを切り取られてもかなり身近なテーマじゃないと聞き取れないので、あとは運に任せるしかない(最悪の発言)

リーディング

第一問

  • 強みと弱み、どう人生に生かす?

第二問

  • インターネットでの詐欺

第三問

  • 繊維工場(Kreenholmi)

第四問

  • 郵便配達員の一日

これもリスニングと同様、形式はいつも通りのはず。一問目は内容に合うものを 3 択から選ぶ、二問目はパラグラフの要約の選択、三問目は設問に答える(数単語書く)、四問目は長文の中の空文補充。

読解は言語問わず苦手なので一択に絞れないことも多いけど、まあまあ普通に解けたと思う。テーマも繊維工場以外は「????」とならなかった。ちなみに四問目の形式が一番苦手なんだけど、これは時系列もあるしかなり解きやすかった。付け焼き刃で一番なんとかなりやすいリーディングが得点源になったと信じたい。

スピーキング

第一問(モノローグ)

  • 試用期間が終わった新人を雇いたい。あなたは彼のスーパーバイザー、会議でなぜ彼を雇いたいかを説明する。

第二問(ダイアログ)

  • 一日の労働時間は何がいいと思う?どんな働き方?(家や会社)
  • パートナーとは同僚。オフィスの椅子をバランスボールに変えたい。反対。

知らない人と二人一組のペアで行う。相手やテーマ次第で死亡確定しがちなスピーキング、ペアも同じぐらいのレベル感かつかなり話しやすい話題だったので大勝利。ちなみに前回?前々回?の B2 は「保守的な教育について」というダイアログでフリーズしたし、未だに何を話せば分からない。当時のペアに申し訳ない。逆に A2 でエストニア語が全く話せない(“Ma elan Eestis.“が言えないレベル)中国人に当たって酷い点数をもらったこともある。

第一問はモノローグ。多分もっと前提部分に触れるべきだった(と相手のモノローグを聞いて思った)けど、あまり考えずに適当に話し始めてしまったので反省。試験の勉強はしたけど試験対策はしてないのでこの辺は語学学校やコースに通ったら学べるんだろうか。

第二問はダイアログ。レベル感が同じであることが一番大切な気がする。ペアのアクセントキツすぎて何言ってるか分からん問題も発生しうるのでやっぱりレベル感(二回目) テーマも身近だったので無理くり考えなくても自分の意見を素直に話せた。議論は賛成か反対のカードがランダムで配られるんだけど、ちょうど反対派だったので進めやすい。ちなみにコンサルテーションでの話によると、与えられた賛成/反対に従わず意見を変えてもいいとのこと。それでも自分の意見と似たものの方が始めやすいよね。

まとめ

W70/L70/R80/S70 ぐらい、総合 7-8 割は取れてたらいいなと思う。本当は全てのパートで 8 割超えるぐらいの余裕がほしいし、むしろそれでやっと B2 レベルと言える気がするけど、とにかく直前の付け焼き刃でも合格できたらエストニア語学習者各位の希望になれる気がした。万年 B1 サバイバルレベルでも単語とテンプレを詰め込む日本式の勉強でもなんとか勝てるぞ、と言いたい。

おそらくクリスマスあたりに結果が来るのでそれまでドキドキ。

試験結果

12/20 の朝に早くも結果が届きました!「40 日以内に結果が出る」と書かれていたのでまあ 40 日後だろうなと思っていたら 34 日後(?)に来た。

W hea(76-90%)
L väga hea(91-100%)
R hea (76-90%)
S väga hea(91-100%)

Total 85%

おお〜!予想との乖離がすごい!

乖離分は「正直 2 択までしか絞れなかったけど鉛筆転がして選んだ方がたまたま合ってた」系の得点な気がする。特にリスニング、9 割超えた実感が無いので選択肢で幸運の女神に恵まれたんだろう。逆にリーディングは確率に負けてそうだけど、結果的に帳尻ついてる。ライティングも第二問は当社比でよく書けたと思ってるので、第一問の読み違いでの減点?(それでも 76↑ くれるのありがたい)

毎回思うけど得点幅ざっくりすぎて、どこを間違えたのか切実に知りたいなと思う。せめて確実に点数が出るリーディングとリスニングだけでも…

それにしても A2 で nõrk (50-59%)、B1 で hea(76-90%)だったスピーキングで最高区分が取れると思わなかった。文法と語彙が弱い中でも内容と流暢さは確保できていたので、そこが評価されたっぽい。つまり B2 レベルではテンポ良く会話になってさえいれば高得点が取れる!逆に文法や語彙をしっかり見られるのは C1 からだろうか?コンサルテーションでもとにかく内容と言われていたし…(ライティングも)

全体的に悪くない点数で8割も超えたので結果に満足しつつ、運ゲー部分には慢心しないように来年から C1 を目指そうと思う。次回は一時帰国(予定)につき受けれないけど。あと試験前に一度プライベートでスピーキングとライティングのレッスンを受けたい。


試験勉強については別記事に書きました。