エストニア 日常

エストニアでフォークダンスを始めてみた

エストニアでフォークダンスを始めてみた

フォークダンス

2019年に5年に一度開かれる Laulupidu(歌と踊りの祭典)を見てから少しずっと気になっていたフォークダンス。 楽しそうだし何より服がかわいい。踊りは Kaerajaan ぐらいしか知らないんだけど一人でちょっと覚えたりもしたぐらい。

なんやかんやでパンデミックが始まって「今はあんまりよくないかも」「コロナが終わってから」となかなか始められなかったのだけれど、 あまりに人と関わらない一年以上を過ごしてみて「これ以上ずるずる伸ばしてたらだめだ!」と自分の中でなにか強い意思が生まれたので挑戦してみることにした。

なんでフォークダンス?

フォークダンスがずっと気になっていたのはいろいろ理由があるので(まあ後付けみたいな感じではあるけど)自分の気持ちを書き留めてみる。

コミュニティ

まずはコミュニティ(というかソーシャルな場)を作るため。上にも書いたとおり、あまりにも人と接する機会が少なすぎて正直これでいいのかな?と思うこともしばしば。

大学があったときは嫌でもクラスメートと話していたけどフルタイムで仕事を始めてから友達と会うのもせいぜい月に一度だし(そもそもエストニアに残ってる人も少ない)コロナという言い訳をつけても引きこもりに拍車がかかってしまい反省してる。

ちなみにまだ数回だけれどインスタや Twitter で会ったタリン在住の日本人の方とお会いしたこともあって、そういうちょっとしたことでも気分が明るくなるし改めて人と話すのって大事だなあと感じたり。 もしこのブログを見ているエストニア在住の日本人の方いましたら是非ご連絡ください〜!

エストニア語の練習

エストニアに住んでいるはずなのにエストニア語を使う機会がびっくりするほどない。 これは引きこもりだから当たり前なんだけど、仕事は家だし社内語は英語だしパートナーとの会話も基本的に英語だし…ここにわたしの生活の 99%が詰まってる。 外に出ても英語で誤魔化してしまうことが多くて、ちょっとずつエストニアでも日本語学習者の方と繋がったりはするけれどすでに仲いい友達とは英語が主だし、というか拙いレベルで何を話しても友達になれるほど深い話ができない気がしてしまう。あと単純に話すの遅いのも理解できないのも申し訳ないし英語のほうがスムーズだよねという逃げの姿勢。

そんなこんなでフォークダンスというかほとんどの習い事(?)は全部エストニア語なので語学の練習にもなるはず。 とはいえ習い事のほとんどは言語レベルが高くないとやっていけないと思うので体を動かす系のダンスはもってこいかも?

ダンス

これは単純に踊れる人って素敵だな〜みたいな憧れ。 若者が好きそうなヒップホップもかっこいいとは思っているんだけど、運動音痴には流石に厳しそう。 いつか恋ダンスもめちゃくちゃ練習したけどまあそこそこ面白い動きをしている人間が出来上がっただけだった。

でもフォークダンスなら「わたしでもやれるかも?だって伝統的に老若男女みんなが踊ってるんでしょう?」という謎の自信が湧いた。 あと衣装が可愛い(二回目)

あと完全に偏見だけどダンスやってそうなパーリーピーポー系の人が怖いから落ち着いているイメージがあるフォークダンス。

エストニアっぽいなにか

せっかくエストニアにいるんだからエストニアっぽいなにかをしてみたかった。 エストニアに来て 4 年目なのにエストニアでないとやれないことっていうのをほとんどしたことがないので合唱団かフォークダンスあたりがずっと気になってた。 合唱団は今も気になってるけどダンスに比べて語学力が必要な気がするので日常会話を全部エストニア語でこなせるようになったら地域の合唱団に参加したいなあと思ってる。

コンタクトしてみる

フォークダンスはエストニア語で rahvatants、これで調べるだけでもなんかいろいろ出てくる。 わたしが調べた感じだとダンススクールの一部かエストニアの文化活動をしている場所で毎週だったり(頻度はそれぞれ)行われているみたい。

とりあえず一人で見学させてもらえないかと思ってそれなりに検索結果上の方に出てきたレッスンに午後に電話をしてみた、が全然出ない。 時間が悪かったのかなと思いながらもちょっと安堵する自分がいる。

わたしのような社交性ゼロ人間はわかってくれると思うんだけど、電話をするだけでも結構心の準備がいる上に拙いエストニア語で会話しようとするのは勇気 100%どころじゃない。

まあその数分後に電話かかってきてめちゃくちゃ焦る上に全部理解できなくて聞き返すのも申し訳なかったんだけど、どうやらお一人様参加は受け付けてないっぽくて踊る相手がいないと余っちゃうからできないとのこと。もし一人で参加したいなら文化センターにあるレッスンを見てみたら?と言われたのでその通りに調べてみたらいい感じのがいくつかあった。

その中でもとりあえず時間的にも良さげなものを見つけて電話をかけてみると「今日あるからおいでよ」と結構いい感じのお返事が。 そこでも踊る相手いるか聞かれたんだけど、パートナーは嫌そうなので一人で行きますと伝えた。

動きやすい格好だけどフォークダンスだからスカートかなあと思い長めのワンピースを選んだ。 いろいろ準備してたらパートナーが「何時?」と聞いてくるので時間を伝えるとどうやら一緒に来ることになった。意外すぎるけど嬉しい。

レッスン

結構入念にワクチンパスをチェックされて入ってみたら今日はいつもの先生がいないらしい。 コロナ陽性っぽいのが一回出て二回目は陰性だったとかなんとか。エストニア語なので全部聞き取れてるかは微妙だけど。

中に入ってみると小さめの体育館っぽい場所で 50 歳前後っぽいマダムたちとパートナーたちが着替えたり談笑したりしてる。わたし達以外に多分 8 組(16 人)ぐらいいたと思う。 が、思ってた以上に年齢層が高い。最年少が多分 40 代、で次にわたしたち(23 歳)。

エストニアなので誰かが話しかけてくることもないままレッスンが始まったけど、最初に代わりの先生が少しだけ紹介してくれた。 「名前は?」「Shiori です」「どこから来たの?」「日本です」「お〜日本いいね、Arigato」みたいな感じ。

ウォームアップ

最初は準備体操から始まってみんなで輪になって踊ったりそこそこ気楽な感じで楽しかった。輪の中で踊るときもだらだら歩くんじゃなくて普通に動くの早くてきつい。 心拍数もバクバクだったので脂肪燃焼した感じ。(FitBit によると 43 分の脂肪燃焼と 3 分のカーディオ)

平均年齢 55 歳ぐらい、上は多分 60 代後半なのにプランクしてるし腹筋してるし運動ゼロ筋肉ゼロのわたしよりもエネルギッシュですごく素敵だと思った。

ステップ

なんかこうくるくる回ったりスキップみたいな移動(勝手にステップと呼ぶことにする)を何度も繰り返す感じ。 途中でペアになって優雅なダンスみたいなのもあったけれど、わたし達初心者には「難しかったら普通のステップで大丈夫だよ」と先生が声かけてくれた。

もちろん二人で踊るのも挑戦したんだけど、足の蹴り合いやら踏み合いやらでなかなかダンス初心者っぽいムーブがあったのでめちゃくちゃ笑った。(他の人にも良い意味で笑ってもらえた) 珍しいわたしたち(二人とも若いしわたしは外国人)に興味は持っていたみたいで、列に並んでる間にいろいろ教えてくれたり気にかけてくれた。

ダンス

学んだことの発表会、じゃないけどなんかやたら高度なダンスが始まった。 もちろん何も知らないわたし達が起きたら事故かよくて交通渋滞を起こすので外から見学した。 多分これがフォークダンスだと思うんだけど各自陣地(?)について交差したり回ったり魅せる踊り。素敵すぎて思わずニヤニヤしちゃうし拍手しちゃう。

ストレッチ

この時点で割と汗びっしょりだったりして結構臭いが気になったりもしたけど、最後はストレッチでしめる。 途中で「あ、これ明日筋肉痛になるやつ」と分かっていたのでストレッチも気持ちよかった。

ゆるく解散してから先生に今後どうやって参加すればいいのか聞いたり他の参加者と談笑したりとても良い時間だった。

まとめ

もしかしたら一年以上やりたいと思って先延ばしにしてきたフォークダンス、勇気はいるけど挑戦して良かったとも思う。 パートナー抜きでエストニアに馴染みたい気持ちもあったのでちょっと残念な気もするけど、なんやかんやで一緒に踊るのは楽しい。 (そもそもペアになって踊るダンスが多いのでおひとりさまには門戸が開いていない)

周りのカップルは 60 歳になっても一緒に踊れる元気さと仲の良さが本当に素敵で勝手にウフフという気持ちにもなった。 年齢層高すぎて馴染めないかと思ったけどこれからは穏やかな習い事が始められそう。