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エストニアの大学を卒業した

エストニアの大学を卒業した

エストニアで三年間の大学生活を無事に終えたので、感慨に浸るというよりもまあメモ程度に。

ちょこっと経歴

エストニアに来た主な理由は安いのと治安がいいこと。あとは単純にヨーロッパに来てみたかったぐらいです。 一応ITが盛んというのも知っていてそっちに少し興味があったので専攻も珍しいサイバーセキュリティにしました。 当時はITの何も知らずになんとなくIT系に進みたいなあと思っていたので考えてサイバーセキュリティを専攻したわけでもありません。

わたしが入学した次の年から学費が2.5倍(非EU)ぐらいになったので正直いまから来るのは言われるとおすすめできません。次の項目にも書きましたが日本の国立に行ったほうがよほど経済的で学びもしっかりしていると思います。大学ランキングも参考にして選びましたが、おそらくエストニア語での話であって英語ベースのコースはどこも後回しにされているような印象を受けます。

カリキュラム

サイバーセキュリティ専攻とはいえITの基礎みたいなのはどこでも必要なので、そんなにセキュリティばかりを学んでいたわけでもありません。 セキュリティ以外にもOSの知識やネットワーク、インフラやプログラミングも学びました。

正直にいうと授業が丸パクリされていたり、教授が英語をうまく話せなかったり、そもそも学位をもっていない教授(仮)が混ざっていたりとなかなかハードモードな部分が多かったですが、 ほとんど出席点がなく授業が常にライブ/録画されているため、自分の時間をうまく使えば伸びやすい環境だったと思います。聞いたらいろいろ教えてくれる教授もいます。

2年前期にスペインへ交換留学に行き、2年後期からはコロナでオンラインになったので実質1年間の大学生活。

インターンシップ

カリキュラムにほぼ半年フルタイムの労働が組み込まれているため3年後期はインターンシップと卒論だけで学校に行かないことがほとんどです。つまりデフォルトで2年半の大学生活みたいなものです。 このインターンシップは必修ですが、ジョブフェアや紹介はあるものの大学が勝手に仕事を探してくれるわけでもないので自分で探す必要があります。

わたしはコロナが始まったときから仕事が見つからないかもしれないという焦りを感じカリキュラムでほとんど触れなかったフロントエンドの勉強を始め、幸いにも数か月後からハーフタイムのインターンシップ(週20時間)を始め、夏にもインターンシップ、3年後期からそのまま就職しています。独学でなんとかできたのも時間がたくさんあって集中できる環境にいたからだと思います。

フルタイムで働きながら卒論は無理では?と思う人も多いかもしれませんが、エストニアは法律で勉強休暇(有給)が定められています。最大2ヶ月ぐらい取れるので社会人学生にとても優しい。わたしは仕事後に作業したり10日間の勉強休暇を取得して卒論を仕上げました。

卒業率3割

最初は58人?(要検証)だったハズが、卒業したのは16人。卒業式に参加したのはその半分です。 ストレートで卒業する人は3割ぐらいなのでこれだけ見ると海外大っぽい厳しさを感じます。 とはいえ出席もなくほぼテストか課題をこなすだけで問題なく単位はもらえるので、特に北米のような難しさがあるわけではないと思いますが、 コロナで半分オンラインになった世代としては例年より卒業率が低かったのかも?と思います。 とはいえ上の代も1年次に半分がドロップアウトしていて、そもそも入学時に3人に1人ぐらいの卒業率だという話があったので毎年こんなもんかもしれません。

もちろん遅れて卒業(留年)する人もいるので最終的な卒業率は半分近くになっている気がします。

わたしの周りにも仕事が忙しくて卒論が書けない人、必修を落とした人、仕事が見つからずインターンシップの単位が足りない人、留学で単位が足りない人、ミリタリーに行く人(エストニア人男性は1年のミリタリーが義務)などいろいろいます。

優秀卒業の話

エストニアでCum laude(優秀卒業)をもらえる条件は

  1. GPAが4.6以上であること、
  2. 卒論が5であること

の2つです。コースからは2人が優秀卒業しました。 ちなみにわたしはGPAは足りていたけれど卒論が4だったわたしはもらえませんでした。フルタイム勤務で卒論は休暇を取ってもそこそこしんどいので、わたし含めギリギリだった人が多かったと思う。

卒業後は?

卒業後はカリキュラムにあったようにインターンシップからそのまま就職する人が多いです。完全に永住する人が多いかは今のところ分かりませんが、ラトビアやフィンランドで就職したりとちょこちょこ移動してる人も周りにいます。 旧ソ連国出身(ベラルーシやウクライナなど)のクラスメイトはエストニア国籍取得を考えている人も多いです。わたしもそれなりの長期移住を考えていますが、先はまだまだ長いので常に良い選択をしていきたいと思います。